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映画【天使と悪魔】ネタバレ コンクラーヴェは根比べ

昨日のダ・ヴィンチ・コードのネタバレ記事に続き、本日は映画2作目の「天使と悪魔」のネタバレ記事となります。

原題は「Angels & Demons」でそのままです。今回は科学と宗教を扱うイルミナティが登場します。と言ってもその名を借りただけですが。

次々と謎が溶けていくさまは、前回同様爽快です。

0.『天使と悪魔』予告動画

1.ローマ教皇の突然死

ローマ教皇が突然亡くなり、パトリック・マッケンナ神父(ユアン・マクレガー)はカメルレンゴとして教皇に指名されていた。マッケンナはサン・ピエトロ大聖堂にて枢機卿団の前で「漁夫の指輪」を破壊した。ローマ教皇がいない空白の期間ができたのである。

初代ローマ教皇の聖ペトロが元漁師であったことから、漁夫の指輪と呼ばれるそうです。サン・ピエトロ大聖堂はペトロの墓があったと思われる場所に建てられました。

その後、次の教皇選出のため、システィナ礼拝堂にてコンクラーヴェが行われることとなった。

<サン・ピエトロ大聖堂>


出典:ウィキメディア・コモンズ

2.反物質の生成

場面は変わり、高速加速器がある研究所へ。ヴィットリア・ヴェトラ研究員(アイェレット・ゾラー)らは反物質を得る研究をしており、ある日反物質を得ることに成功。

反物質については以下の記事で紹介しています。
反物質とは何か?人工ニュートリノを使用し宇宙誕生の解明に前進

ヴェトラは成功を喜び、同僚のシルバーノ・ベンティヴォリオ(カーメン・アルジェンツィアノ)のもとに向かう。移動中に清掃員のような男にすれ違うも、その時は特に気にしなかった。

網膜スキャンを行なうと、自分の顎に血がついていることを不思議に思いつつ恐る恐るシルバーノの元に向かうと、シルバーノは目玉を取られて死んでいた。そして反物質も盗まれていた。

3.バチカンからの招待状

場面はハーバード大学のプールに変わる。プールで泳いでいたロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)の元にバチカン警察から使者がくる。そこでイルミナティと描かれた紙を見せられる。

紙は脅迫状で、イルミナティが蘇ったと信じさせようとしていた。脅迫状には一人ずつ枢機卿を殺すと書かれていた。そのため、ロバートは脅迫状の犯人は捕まえてほしいと懇願される。

既にコンクラーヴェが始まる期日であったが、体調不良者が出たため遅らせることにしていると使いから聞き、ロバートはバチカンに向かった。

4.イルミナティの復活?

バチカンに付くと、ロバートはバチカン警察のオリヴェッティ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)に出会う。

ロバートがシスティナ礼拝堂に着くとこう言った。イルミナティとは啓示を受けた者でありつつ科学者であり、バチカンにより潰され秘密結社になったと。

ちなみにイルミナティの意味はラテン語で「光を照らされたもの」だが、宗教活動より「啓蒙、開化」も意味するようになったとのこと。

バチカンではスイス衛兵隊が警備をしている。衛兵隊は天の使命を受けており、その隊長はリヒター(ステラン・スカルスガルド)が務めていた。ヴェトラがリヒターに反物質が盗まれたことを暴露。急に反物質とか言われてもね。あんたなにやってんのとしか言えない。リヒターは冷静である。

反物質は特殊な磁力の容器に保管されており、午前0時には容器のバッテリーが切れて反物質が下に落ちてしまうとのこと。落ちると対消滅が起き、バチカンは消滅してしまう。

「光でバチカンを破壊する」とはイルミナティが使った言葉。4つの柱とは枢機卿のこと。

焼印は全部で5つあり、アンビグラブ(異なる方向からも読める文字)で土(EARTH)、空気(AIR)、火(FIRE)、水(WATER)を表す。ラプルガを受けた報復をするとロバートは思っている。

5.啓示の道を見つける必要あり

犯人はイルミナティの名を使い、現代科学の反物質により宗教を破壊しようとしている。ロバートは犯行声明に書かれた「啓示の道に輝く星が現れる」という文字に着目した。

イルミナティは啓示の道で密会していた。啓示の道を見つけ、最初の教会はどこか突き止めれば犯行を止めることができるかもしれないとロバートは考える。そこで、バチカン秘密記録保管所にその謎が解明できる文章があるといい、権限を得るためカメルレンゴの元へいく。

教皇亡き今、カメルレンゴが教皇の権限を追うため、記録保管所への立ち入りもカメルレンゴの許可が必要となる。

カメルレンゴの教皇執務室にいくと、ヴェトラは殺されたシルバーノが日記をつけていたことを思い出し、カメルレンゴはヴェトラにシルバーノの日記がみたいという。

ロバートとカメルレンゴが二人きりになり、記録保管所への立ち入りの許可を懇願する。カメルレンゴはロバートに神を信じますか?と問う。ロバートは信仰心を授かっていないと答える。そして記録保管所に入る権限を得た。なんでそんなことを聞いたのかというのは結末から判明する。

6.夢のバチカン秘密記録保管所

ロバートとヴェトラは記録保管所に入り、ガリレオが書いた小さな本を探す。同時にリヒターが反物質の場所を特定するため、各区域の電源を順番に切って調べることにした。

土、空気、火、水の4つの教会は、科学の祭壇とイルミナティでは呼ばれている。順番に辿り啓示の道のスタートに立てればイルミナティに入団ができる。そんな事を話しながら、ロバートとヴェトラはバチカン秘密記録保管所に到着した。

同時期に、シュトラウス枢機卿(アーミン・ミューラー=スタール)がコンクラーヴェを主導することとなり、シュトラウスはカメルレンゴにシスティナ礼拝堂の扉を封印するよう命じた。

ちなみに2005年のコンクラーヴェからは、システィナ礼拝堂への缶詰はなくなったとのこと。ヨハネ・パウロ二世によって建てられたサン・マルタ館という宿舎で寝泊まりし、システィナ礼拝堂へ投票にいく。

ロバートたちは秘密記録保管所のガリレオ裁判記録の部屋に入る。どの部屋もガラス張りで空調完備されており、酸素が若干薄い。

ここで謎の人物ミスター・グレイ(ニコライ・リー・カース)が依頼人からの送金を確認。4人の枢機卿をとらえた犯人であった。そして土(EARTH)の焼印が登場する。

7.ガリレオの真実の図表

記録保管所でロバートは、503という数字がイルミナティの手紙に書いてあったことを思い出す。503とはガリレオの3冊目の書籍であるDIII(D3)「ガリレオの真実の図表」だと推察する。ガリレオは3冊目で真実を伝えようとした。ラテン語なのでロバートは読めず、ヴェトラが訳す。

真実の図表には英語で三角の透かし模様があったが、謎を解くには時間がないので、そのページをヴェトラが破り取り持ち去る。なんという横暴。

オリヴェッティと合流し、車の中で先程破ったページを見る。「悪魔の穴開くサンティの土の墓よりローマに縦横に現れる神秘の元素光の道が敷かれ、聖なる試練あり気高き探求に天使の導きあらん」という文言より、ラファエロの墓があるローマで一番古い教会パンテオンにいく。

<パンテオン>


出典:世界があまりにも美しいから

8.見当ハズレ&一人目の犠牲者

パンテオンにあるラファエロの墓につくも何も見つからない。それもそのはず、ガリレオが真実の図表を書いたのより埋葬された日の方が新しいのであった。そこでロバートはラファエロ自身の墓ではなく、ラファエロが設計した墓であるキージ礼拝堂だと推察し、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会に向かう。

ポポロ広場にあるキージ礼拝堂に到着すると、そこにはカトリックの教会にピラミッドの文様が描かれていた。

床がずれていたため開けると何かがいる。はしごで降りると、胸に土(EARTH)の焼印が押され、口に土を詰め込まれた枢機卿の1人が死んでいた。

同時刻にコンクラーヴェがはじまった。みんな自分に投票し、有力候補である4人の枢機卿プリフェリーティを待っている。

キージ礼拝堂はラファエロが設計し、預言者ハバククと天使の彫刻はベルニーニが制作した。ロバートはイルミナティが潜入できない場所はないという。第2の殺害はどこで行なわれるのか。

<預言者ハバククと天使>


出典:フォートラベル

9.第二の犠牲者と内通者の存在

預言者ハバククと天使はそれぞれ違う方向を指差しているが、ガリレオの詩には「気高き探求に天使の導きあらん」と書いてあったため、天使が指している南西の方角を目指す。その方角にはサン・ピエトロ大聖堂があった。

サン・ピエトロ大聖堂の広場はベルニーニが設計したものであった。空気の彫刻とはどれか。ロバートは地面のバスレリーフに着目していると、ウェスト・ポネンテ(西風)を発見。

すると、第2の枢機卿が犠牲となった。まだ生きていたが肺に穴を開けられていたため助からなかった。胸にはAIRの焼印があった。だが、死因はヘパリンの過剰投与による心臓発作であった。これを知っているのはスイス衛兵隊と枢機卿団ぐらいなので、身内に内通者がいることをロバートは疑い始める。

ウェスト・ポネンテが吹いている方角は東を指しているため、東にある火に関係する教会が次なる犯行現場と予測するも、現段階では検討がつかない。ここでシルバーノの日記がようやく到着し、ロバートは再び記録保管所にいく。

<ウェスト・ポネンテ>


出典:ハシムの世界史への旅

10.飛んで火に入る夏の虫

記録保管所ではベルニーニの作品集で火にまつわる作品がないかを調べに来た。ロバートは読めないので、一緒に入ったバチカン警察のシャルトラン(トゥーレ・リントハート)に、火を表す記述がないかを調べさせる。

そこで、聖テレジアの法悦を見つける。すると記録保管所の電源が切られ、保管庫内の酸素の供給が止まる。ロバートは本棚を倒し、シャルトランが持っていた銃でガラスを撃つもヒビしか入らなかった。が、本棚と自重により少し経ったらガラスが割れ難を逃れた。

ここでヴェトラとカメルレンゴはサン・ピエトロ大聖堂の地下墓地に行く。地下墓地には父であり死んだローマ教皇が眠っていた。その棺を開けたのである。墓から帰ってきたら、シルバーノの日記がなくなった。やはり衛兵隊にイルミナティがいる可能性がある。

11.三人目の犠牲者&犯人を目撃

ロバートは聖テレジアの法悦があるサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会を目指す。

しかし、到着するやいなやFIREの文字列が胸に刻まれた枢機卿が燃えていた。そこには犯人であるグレイがおり、バチカン警察と銃撃戦となる。ロバートは命からがら逃げ延びたが、オリヴェッティは撃たれて死んでしまった。

時は同じくして、なくなったと思われたシルバーノの日記は、リヒターに物的証拠として取られていた。ヴェトラはリヒターを問い詰める。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の「預言者ハバククと天使(土)」、サン・ピエトロ広場の「ウェスト・ポネンテ(空気)」、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会の「聖テレジアの法悦(火)」、ローマに現れる十字とは何か、残る水の場所はどこか。

<聖テレジアの法悦>


出典:旅行の写真とか、法律とか会計とか、医療とか日常生活とか、随時掲載

12.四人目の犠牲者はセーフ。警官はアウト。

ロバートが地図上に十字の線を引くと、水であるだろう場所が思い浮かぶ。ロバートは14分後に枢機卿が殺されてしまうことを伝え、ナヴォーナ広場にいきたいと警官に頼む。

ナヴォーナ広場にある四大河の噴水に到着。天使の導きあらんというが、天使はいない。オベリスクの上の鳩が平和の天使を象徴していた。

そこにグレーの怪しげな車が到着。広場に車は入れないので、おかしいと思い二人の警官が様子を見にいく。一人目の警官がやられ、二人目も殺されてしまう。そして車から噴水の中に、WATERの烙印を押された4人目の枢機卿バッジア(マーク・フィオリーニ)が落とされる。

ロバートがすぐに助けに行き、周りの人々の助けにより4人目のバッジア枢機卿は助かる。そしてカステル・サンタンジェロ(聖天使の城)に囚われていたことを知る。

<四大河の噴水>


出典:ぶらぶら一人旅

13.啓示の道に到着

ヴェトラとロバートがサンタンジェロ城で合流する。ヴェトラはリヒターは信用できないという。啓示の道の教会はサンタンジェロの中にあり、反物質もそこにあると思われる。

中にはさきほどのグレーの車がおいてあった。行き止まりと思ったが、ロバートが床の一部に五芒星が描かれた場所を発見。重なった壁の奥には通路があり、その先には枢機卿が囚われていた檻があった。

道の果に煌く星。ロバートとヴェトラはついにイルミナティの教会にたどり着く。そこには教皇の象徴である5つ目の焼印があった。ということは教皇に一番近いカメルレンゴが殺されるとロバートは思う。直後、グレイに銃を突きつけられる。

グレイはただの殺し屋であり、ロバートたちを殺すという契約はないのでその場を去る。グレイより、神に仕える奴らには気をつけろと忠告される。ありがとう。

グレイは約束の金を取得し、金が置いてあった車で逃走しようとしたが、案の定車が爆発。巨額の金を扱う場合、極力車には乗らない方が良いとつくづく思う。

<サンタンジェロ城>


出典:所長のイタリア旅行

14.とんだ茶番

リヒターがカメルレンゴの元にいく。カメルレンゴはリヒターに殉教者にするのかと言う。

ロバートたちはサンタンジェロからバチカンに続く抜け道を通り、バチカンにたどり着く。カメルレンゴの元へたどりついたときにはリヒターがカメルレンゴを撃とうとしていたが、間一髪のところでバチカン警察がリヒターを射殺。

カメルレンゴには教皇の象徴の焼印が押されていたが、生きていた。そして反物質は聖ペテロの墓にあることが判明。ネクロポリス(巨大な墓地)に向かう。

残り7分で反物質を発見。ヴェトラが、ここはすごく寒くバッテリーの消耗が激しいので、実質残り5分もないと言う。ヴェトラは置いていくしかないと言ったが、カメルレンゴはダメだといい持ち出す。

カメルレンゴは用意していたヘリコプターに1人で乗り込み上昇し、雲の中に消えていく。自動操縦にして自分は脱出。上空で反物質を爆発させた。

その衝撃はすさまじく、パラシュートで降りたカメルレンゴは無傷では降りられなかったが、なんとか生還した。反物質が爆発した後の空の模様が何とも言えない。

15.コンクラーヴェの意向

少し落ち着くと、ヴェトラはロバートに電力会社に反物質が渡ることが一番不安だったという。世界を変えるなんて大げさだとヴェトラは言うが、ロバートはそんなことはない、研究を続けてくれといった。兵器として使われる方がよっぽど怖いんですけどね。

コンクラーヴェがいよいよ架橋に入った。枢機卿団ではカメルレンゴであるマッケンナを選出すべきだという声があがり、崇拝の歓呼による選出をしようとしていた。呼ばれた時に呼ばれたものがシスティナ礼拝堂にいれば良いので、マッケンナにコンクラーヴェに参加してほしいと伝えた。

ちなみにコンクラーヴェによる教皇選出は以下の3つの方法があった。1の満場一致は1621年のグレゴリウス15世が最後、2の選挙委員会の主導は1316年のヨハネス22世が最後とのこと。また、ヨハネ・パウロ2世が1,2の様式は機能していないため、3の投票のみとした。

1.発声の満場一致による決定
枢機卿たちがいっせいに新教皇の名前をあげて満場一致した場合に、その結果を聖霊の働きによるものとして承認する方法。

2.1.が出来なかった場合の、妥協による決定
選挙が泥沼化しそうだと判断した場合、枢機卿団の中から選挙委員会を選び出して選出を主導してもらう方法。

3.投票による決定
今の教皇選挙として理解されているもので、全枢機卿が匿名投票を繰り返して教皇を選び出す方法。 (wikipediaより引用)

17.真実はいつもひとつ

ヴェトラはシルバーノの日記をとりかえすために、リヒターの席に来た。リヒターがもっていた鍵により席上のモニターが稼働し、教皇執務室の映像が映し出された。

録画していた映像にはリヒターとカメルレンゴが映っており、カメルレンゴが父である教皇を殺し、イルミナティが蘇ったと思わせたという証言が残っていた。枢機卿団はカメルレンゴ(マッケンナ)を教皇に推そうとしていたが、映像を見たことでそれはなくなった。

カメルレンゴがシスティナ礼拝堂に到着すると、カメルレンゴは異変に気づき、部屋を退室する。だが四方をスイス衛兵隊に囲まれ、悟ったカメルレンゴは祭壇の下で焼身自殺した。システィナ礼拝堂の煙突からは白い煙があがり、次の教皇が決まった合図であった。(黒い煙は未決定を表す)

新しい教皇は、4人目の被害者であるイタリアのバッジア枢機卿が選出された。

シメオン神父(コジモ・ファスコ)からロバートへ、記録保管所の借りたかった書物を貸してもらえることとなった。

新教皇の名はルカ。科学と宗教を統合する意味であるという。新教皇がバチカン広場に登場し、おしまい。

・まとめ

今回も歴史的建造物があれこれ出てきましたね。フィクションと知りつつも、またまたどこまでそんなものがあるのかというのを調べたくなりました。

この映画、バチカンでの撮影はNGをくらったので、映画で登場するバチカンはロサンゼルスで作られたセットだったようです。とてもセットとは思えなかったですね。

宗教と科学は遠い存在のように思えますが、科学=神の力の発想から実は近い存在なのですね。確かに現代科学はどうやったらそんなことができるのといったものばかりです。

近日中に最新作「インフェルノ」のネタバレも書きますので、期待せずに待っていてください。

以上、「映画【天使と悪魔】ネタバレ コンクラーヴェは根比べ」の記事でした。

以下、1作目【ダ・ヴィンチ・コード】、3作目【インフェルノ】のネタバレ記事となります。よろしければどうぞ。

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