2016年4月22日(金)より日本で公開となりました、2016年第88回アカデミー賞三冠(主演男優賞、監督賞、撮影賞)を獲得した「レヴェナント: 蘇えりし者」を見てきました。
主演はレオナルド・ディカプリオ、監督は昨年度も「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」監督賞を受賞した、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督です。
・レヴェナント: 蘇えりし者の予告
・レヴェナント: 蘇えりし者の内容
まずこの映画ですが、アカデミー賞とったんだ、それにディカプリオだし見てみるか、などという甘い気持ちでみると後悔します。内容はシンプルな復讐劇ですが、描写が非常に重たいです。
R15指定というのも当然の内容です。これはScreen1の大画面で公開する内容でないのもわかります(笑)。
ただ、自然描写がすばらしいので見るのであれば大スクリーンで見ることをおすすめします。臨場感がすごくその場にいるような気分になります。だからこそ重たい描写がより重く感じられるのですが。
時代と場所は1823年の西部開拓時代のアメリカ北西部で、物語は毛皮を採取して生活を営むハンターたちと現地住民との争いから始まるのですが、主人公であるグラス(レオナルド・ディカプリオ)の復讐劇が始まるとそんなことはどうでもよくなります。
復讐の途中で現地住民の一部族アルカラが血眼で捜している部族の娘を知らずに助け、最後アルカラに遭遇したときに命を狙われずに済むわけですが、物語の中ではさらっと流れていきます。
人間、誰しも生きたいと思うのが本能。グラスを亡き者にしようとした本作の敵として描かれているフィッツジェラルド(トム・ハーディ)も生きるために必死です。
チームとして動いている中で、一人が負傷し満足に動けない、いつ亡くなってもおかしくない状態かつ、後ろからは部族が迫っているような危機的状況であれば、個人を優先するよりもチームを優先するというのが一般的な判断であるのもわかります。
ただ、だからといって一人置き去りにしていくという判断は決断しかねるというも事実です。かならず誰かがワルモノとして存在しなければ決断はできません。
金を上乗せでもらえるからという理由だけでフィッツジェラルドはワルモノとなる決断をしたのでしょうか。
それではあまりにもリスクが高すぎます。物語の結末のような結果となるのは目に見えているというのに。
そして復讐した後に残っているのはただの虚無感。
フィッツジェラルドの最後の言葉である「俺を殺してもお前の息子は生き返らないぞ」というのが非常に心に突き刺さります。当然の言葉ですが、当事者にとっては分かっていても分かろうとしないでしょう。
それほど執念というのは頑ななものです。
最後に、この映画は作家マイケル・パンクの原作小説『蘇った亡霊:ある復讐の物語』(The Revenant: A Novel of Revenge)に基づいており、実話とのことです。
昔の人々の過酷さが垣間見える映画となっています。もう一度言っておきますが、決して甘い気持ちで見ないでください。デートで見るなどもってのほかです(笑)
以上、「レヴェナントの意味は亡霊。亡霊よりも人間の執念が恐ろしい。」の記事でした。
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