雑記

読書感想文の書き方にお困りの方へ 文字数は気にしないこと

・読書感想文が書けないのはなぜか

それは「書く」ということに対する苦手意識です。長文を書くという行為はライターや小説家でないかぎり、大人でもそうそう書くことはありません。議事録や論文などは事実を書くことであって、自分の感情を書くことはないでしょう。

感情を爆発させるのがこの「読書感想文」なのです。事実だけを述べてもつまらないのは当たり前です。

それではどのようにすれば書けるようになるのでしょうか。

・書くに当たり重要なことは

まずは本を読むというところから入ります。特に小学校低学年の子供にとっては、活字を読むというのは慣れていないこともあり、興味のない本であれば動くまでに時間がかかってしまいます。

ではどうすればよいのか。単純に興味のある本を選べばいいのです。

図書館や本屋にいって面白そうな本を探しましょう。本の数は膨大なので、きっと興味が湧く本が見つかるはずです。興味のない本であれば読むのも書くのも時間がかかってしまいます。最悪終わらないケースも有り得るかと思います。

どうせなら楽しく読書感想文を書きたいですよね。楽しめるまでいけばあとは楽勝です。

また、読書感想文は普段の勉強とは違い、学校教育の中では数少ない正解のない課題です。自由研究の課題もそうですが(自由研究は名前からして自由なのですが)どうしようと本人の自由なのです。

小学校低学年であれば原稿用紙2枚分(800字)、中・高学年であれば3枚分(1,200字)、中学生であれば5枚分(2,000字)以内という制限があるかと思います。

よく見てください。以内ですよ。

よくギリギリ最後の列に収めなさいと言われるかと思いますが、それに何の意味があるのでしょうか。冗長的に本人の感想を書いたところで何も面白いものは生まれません。読む方も時間の無駄でしょう。

そのため、文字数を気にするのはやめましょう。ただし、文字数超過は規定に外れるため調整が必要です。

それでは具体的な書き方に入ります。

・書き出しについて

よくありがちなのが、あらすじを長々と書くパターンです。

<例>
この本は2050年に人類が火星に移住して生活するという物語です。主人公のジャスティンは普通のサラリーマンとして生活していました。ただ彼は、小さい頃からの夢であった宇宙を見たいという夢がどうしても忘れられませんでした。ある日新聞を見ていると、民間企業の広告で火星移住の先行募集の記事が載っていました。

これだけで146文字です。あらすじはおそらくまだまだ続きますので、それだけで400字行く可能性もあります。本当に時間がない場合の切り札にはなるかと思いますが、極力あらすじで埋めるのはさけたいところです。

冒頭は読者を引き込むために重要な場所ですので、自分ならこれは引き込まれるという書き方をしましょう。

<例>
2050年には人類はどうなっていると思いますか?その一説がこの本には書かれています。今日宇宙開発が各国で進められていますが、中には火星移住の計画まですでに存在します。その国とはXXです。民間の宇宙開発企業も次々と登場し、本当に2050年までにいけるのではないかと思いました。

◎ポイント
・あらすじを長々とかかない(最終手段として利用)
・読者を引き付ける内容で書き出す(自分ならあとも読みたくなるような)

・中身について

自分が思ったこと、感じたことをどんどん書きましょう。

読み終わったあとに書こうとすると、ここはどうだったかな、あそこはどんなだったかな、といったように本を何度か見直すことになるかと思います。少しでも出戻りをなくすために、読みながら印象に残った箇所に付箋(ふせん)を貼り、箇条書きで要点をまとめておくと良いでしょう。

箇条書きで書いておけば、あとは文章に直してつなげることですらすら書いていくことができます。

<箇条書きの例>
・なんと、募集定員10名の枠に私は入ったのだった。これは夢か現実か。すぐには認識することができなかった。

 付箋:なんでもチャレンジしてみることに価値があるのだと思った。動かなければ0だが動けば1にはなるんだと思った。

・火星移住は簡単なものではなかった。いくまでに地球上での1年間のハードなトレーニングが待っていた。
 付箋:新しいチャレンジに困難はつきものだと学んだ。世の中そんなに甘くないことを悟った。

・いよいよ火星移住の当日となった。私を乗せた有人宇宙船は無事発射され、瞬く間に地表は見えなくなり、眼下には青い地球が広がっていた。「これだ、これこそが私が一生をかけてでも見たかった景色だ。ついに夢がかなったのだ。」
 付箋:夢は諦めたらそこで終わりだと思った。僕もがむしゃらに前に突き進もうと思った。

まとめると
主人公が定員10名の募集枠に入ったことより、なんでもチャレンジすることで可能性は開けていくのだと感じた。何もしなければ経験値はたまることはないが、何か行動を起こすことで、たとえ失敗したとしても経験値は1ずつ増えていくのだということを確信した。ただその経験値を重ねるということも容易ではない。主人公も簡単には火星にいけず、1年間のハードなトレーニングを積んだのだ。これより、新しいチャレンジに困難はつきものであることを学んだ。同時に、たとえ困難でもやり続けてさえいれば夢は叶うことも知った。

◎ポイント
・中身ではなく、中身から自分が感じたことを書く
・極力本を読み直さないために、印象深いところは付箋をはっておき、感じたことを箇条書き程度に書いておく
・箇条書きを自然な文章でまとめる

・書き終わりについて

結論として、この本を通して自分がどうなったかをまとめると良いかと思います。読み手をすっきりさせてあげましょう。含みをもたした感じでどっちなんだというのもありかもしれませんが、きらう方が多いかと思います。

<例>
さいごに、火星移住なんて考えたこともなかったが、近い現実だということを目の当たりにした。宇宙に少し興味があって手にしたこの本であったが、読み進めるにつれ夢中になり、宇宙への関心がとても大きい物へと変化した。これからの人生困難の連続であると思うが、なにごとも挑戦し、楽しんでいきたいと思う。

◎ポイント
・中身のところと区切るため、これから終わるのだなということが分かるように「さいごに」などではじめる
・読んで自分がどうなったか、またどうしていきたいかをまとめる

・さいごに

書いていて小学校低学年向きではないなと思ったので、低学年向けのアドバイスを書きます。低学年の場合はだいたい何から手を付ければ良いのかがわからないと思いますので、親が道筋をたててあげましょう。

自分からここがいいなといい付箋を貼る低学年はそうはいないと思うので、ここは何か感じるだろうという点を親が選び、子供に問いかけをします。そのやりとりを親が箇条書きにしましょう。

できる限りつなげやすい形で書いておき、読み終わったあとで子供に付箋を見せます。あとは子供に文章作成を任せましょう。つながりが不自然な場合は親がチェックして修正をかけます。はじめは修正をいくどとなく繰り返すかと思いますが、次第に慣れていきます。

早い時期に着手して、夏休み後半は宿題を気にすることなく遊べるよう頑張りましょう。

以上、読書感想文の書き方にお困りの方へ 文字数は気にしないことの記事でした。

・読書感想文全国コンクール(備考)

学校で提出した読書感想文はこのコンクールに応募しているのでしょうか。提出は在籍校を通じてとなっているので、各学校で判断していると思いますがどうなんでしょう。せっかく書いたのでできるなら応募したいですよね。

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