ボーンシリーズの4作目となる『ジェイソン・ボーン』が2016年10月7日(金)に日本公開されました。
これまでのボーンシリーズは以下のとおりです。スピンオフ主演のジェレミー・レナーは好きなのですが、これボーンシリーズ?という疑問はややありました。
- 2002年『ボーン・アイデンティティー』
- 2004年『ボーン・スプレマシー』
- 2007年『ボーン・アルティメイタム』
- 2012年『ボーン・レガシー』(スピンオフ)
今作はと言いますと、結論から言えば普通に面白いです。相変わらずジェイソン・ボーンとしての物語の進捗は悪いのですが、世界各地で巧みに行動する様は良かったです。
それではコメントを交えつつ、ネタバレをご覧ください。
0.ジェイソン・ボーン予告動画
1.賭博ファイト
行方をくらましたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、賭博ファイトをしながら生活していた。世間から隔離された世界で生きていたのである。
予告動画のワンパンのシーンがいきなり登場します。やっぱりワンパンはあっけなさすぎて賭博ファイトも盛り上がりません。
2.CIAのメインフレームへのハッキング
元CIAのニッキー・パーソンズ(ジュリア・スタイルズ)がCIAのメインフレームサーバにハッキングし、ボーンが関わったと見られるトレッドストーン計画の極秘資料を盗み出す。その中にはアイアンハンドと呼ばれる謎の計画の資料もあった。
アイスランドのレイキャビク、クリスチャン・ダッソー(ヴィツェンツ・キーファー)率いるハッカー集団の巣窟となっている場所でハッキングを行なったが、すぐにCIAが逆探知を行ない身元がバレる。
CIA側の逆探知の操作を行なったのは、CIAサイバーオプス部門の部長であるヘザー・リー(アリシア・ヴィキャンデル)であった。
逆探知した際に、ファイルを開くと居場所が分かるプログラムを仕込み、ハッカー集団のアジトの電源を落とす。ニッキーは何とかファイルをダウンロードし、ボーンに渡そうとする。
逆ハッキングして家の電源落としたりできるなんてすげーな。恐るべしIoT。
3.ギリシャでの再会
いつものようにボーンが賭博ファイトをしていると、ニッキーの顔がちらっと見える。今までのワンパンではなく、盛り上げるために少しやられる仕草を見せるボーン。
試合後にニッキーのメモが荷物においてあり、メモにはギリシャアテネの「シンタグマ広場のキオスクで待っている」という内容が書いてあった。
普通の状況下では会うのが困難だが、ちょうどその頃ギリシャでは暴動が起こっており、シンタグマ広場は反政府派と警官隊でもみくちゃの状態であった。
ボーンとニッキーは騒動に乗じて再会を果たす。ボーンに会う=CIAに消されることになるので、ボーンはニッキーになぜこんなことをと問いかけたが、ニッキーは覚悟の上で渡しに来たことを告げる。
4.ギリシャでの別離
再会した直後、すぐにCIAに居場所がばれ工作員に追われることとなる二人。CIAの本部では、リーと責任者であるロバート・デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)が指揮をとっていた。
工作員の中にはボーンと因縁のある(この時点ではボーンは知らない)アセット(ヴァンサン・カッセル)が含まれていた。
アセットはトレッドストーン計画の次に予定していた、ブラックブライアー計画(CIAによるやりたい放題計画)に関与していた暗殺者である。
ニッキーはトレッドストーン計画にボーンの父親であるリチャード・ウェッブ(グレッグ・ヘンリー)がもろに関与していたことを話す。すべて話しきる前に、追っ手をまくため二人は行動を別にする。
ボーンはギリシャ警察のバイクを奪い、巧みなハンドリングでニッキーを乗せて逃走する。後ろからアセットがフォルクスワーゲン(Golfかな?)で追随してくるも、バイクで階段を駆け上がり車では追跡できず。
アセットはすぐに車を捨てて、狙撃ポイントまで移動。ニッキーが撃たれボーンと共にバイクは転倒。ニッキーは最後の力でロッカーの鍵をボーンに渡そうとするも、アセットの凶弾によってとどめを刺される。
ボーンは助けられなかったことを悔やむも、ロッカーの鍵をもって姿を消す。
5.ドイツで真相を深める
ロッカーからはニッキーが残した手帳(ニッキーの日記)と、トレッドストーン計画などの極秘資料が入ったUSBが出てきた。ニッキーが残したUSBのファイルは暗号化されていたため、中身を見るためにボーンはドイツのダッソーの家に向かう。(字幕ではダッソーじゃなかったような。。)
ダッソーにより暗号化が解かれ、ボーンはトレッドストーン計画の真実を知る。と同時にファイルを開いたことでCIAにより居場所がバレてしまう。CIAではデューイがすぐさま突入部隊を派遣する。
さらに、ボーンはダッソーにも襲われるが瞬殺。CIAが突入してくるまでボーンは計画書の内容を見る。オリジナルのトレッドストーン計画は父親であるウェッブが発案したことを知る。
また、トレッドストーン計画でボーンを監視していたマルコム・スミス(ビル・キャンプ)の存在を知る。直後にCIAから遠隔操作で資料はすべて削除される。
同時にCIAの突入部隊が入ってくるも、ほとんど戦わずしてボーンはその場をやり過ごし、スミスがいるイギリス・ロンドンに向かう。
遠隔操作でファイルを消すなんてすげーな。
6.またもや混乱に乗じて
ボーンはスミスに電話し、パディンドンプラザにくるよう呼びつける。
ここでもただ普通に会うのではCIAに邪魔されてしまうので、ボーンは回りのビルで火災報知器を鳴らし、オフィスワーカーたちを外に出して人混みを意図的に作る。
CIAからもリーが率いるA班、B班とリー本人、アセットも現地入りしていた。リーが現場にいる理由は、ボーンが望んでいるのはCIAの復讐ではなく復職だということから、一度話せば分かるはずという観点からである。
ボーンを追っていたA班とB班はアセットに殺され、アセットが1人でボーンを追う形となる。
7.ついに真相を知る
人込みでスミスを確保したボーンは、5階建てのビルの屋上でスミスを問い詰める。スミスの耳にはデューイとの無線連絡が飛んできていることをボーンは知り、それを奪う。
スミスはトレッドストーン計画はボーンの父であるウェッブが発案したことを言う。トレッドストーン計画で息子であるボーンが対象となったことから、ウェッブは計画を防ごうとした。
だがデューイの命令でウェッブはアセットに殺された。テロに見せかけたのは、ボーンにトレッドストーン計画に参加してもらうためであった。
真実を知った直後、ボーンの前にアセットが現れいきなり撃たれる。アセットの顔を見た瞬間ボーンは父が殺されたときを回想し、アセットが現場にいたことを思い出した。
ボーンはスミスを盾にしてガードしたが、そのまま5階から落ちてしまう。なんとかワイヤーで衝突の衝撃を抑え、ボーンはその場から立ち去る。スミスはそのまま落下して死亡。(既に撃たれて死んでるか)
ボーンは逃走中に偶然にもリーの車を見つけ、リーはボーンを車に入れる。リーはアメリカ・ネバダ州ラスベガスにてデューイを倒す機会があることを伝え、ボーンは車から降りる。
8.ソーシャルメディア「ディープドリーム社」
デューイはディープドリーム社のCEOアーロン・カルーア(リズ・アーメッド)と登壇する予定があった。そこがリーがいっていたチャンスである。
ディープドリーム社はソーシャルメディアを扱う企業で、新製品としてソーシャルネットワークを通じて個人情報含むあらゆる情報を取得できるツールを開発した。そこをデューイが目をつけていたのである。
しかし、デューイはアーロンと話すもアーロンはそのシステムをCIAで使われることを拒否する。顧客第一主義のため、プライバシーの保護は完全に行なうことが正義だとアーロンは語っていた。
見上げた企業魂ですね。そのことがあり、アーロンのもとに独占禁止法に抵触したと通告があった。デューイの仕業である。これを受けアーロンは、ラスベガスの登壇でデューイの罪を白日の下にさらそうとしていた。
だが、アーロンの側近であるバウマン(ステファン・クンケン)はデューイと繋がっており、デューイに目論見がバレ暗殺対象にされてしまう。
9.ラスベガスの暗殺計画
ボーンはリーとの約束通りラスベガスにきていた。入国審査時はリーのハッキング技術により内容が書き換えられ無事にパスする。なんでもありである。
会場についたボーンは追跡装置を盗み、チケットを盗み、リーと合流しようとしていた。リーがカジノの場所で待っていると、デューイの側近であるクレイグ・ジェファーズ(アトー・エッサンドー)がリーに近づいてきた。
そのため、ボーンはリーのポケットに追跡装置を入れ、デューイにそれを付けろとリーにメール連絡した。
イベントがはじまる直前に、デューイは後で登壇するとアーロンたちに伝える。デューイはボーンが入国したことを知り、入国させたのがCIAの権限であったため、リーが協力者であると断定。暗殺の対象にリーを加えた。
暗殺者はもちろんアセットである。アーロンが喋り始めるとデューイがアセットに殺害を指示するも、ボーンが会場に到着し、アセットがいる通気口にライトを当てアーロンの照準をずらすことに成功する。
10.父の敵を討つ
アーロンは撃たれるも致命傷は避けた。銃声のため会場では混乱が生じる。アセットは会場の監視カメラで顔がバレたため会場から逃亡をはかろうとする。
デューイは逆に会場内の上階にいくとジェファーズに告げる。ジェファーズはボーンを見かけるも、ボーンは巧みにかわして1人でデューイのもとに到着する。
デューイは半ば諦めながらもボーンに復職をせまる。するとボーンは悩む。悩む。悩むのである。3秒ほど悩んていると、ジェファーズがボーンに追いつき発砲。ボーンは脇腹を撃たれるもジェファーズを射殺。
背後のデューイがボーンめがけて発砲しようとしていたその時、リーがデューイを射殺した。
ボーンの愛国心は本物であることを確信した場面であった。裏切られた組織に復職するなど考える余地もないと思うのだけどね。
11.倒すべき敵がもう一人
アセットはビルから出ると、SWATの装甲車を奪って逃走し始める。暗殺者ならもっと隠密に行動しろよと突っ込みたくなるが、そこは置いておく。
装甲車に乗ったアセットをボーンが目撃し、ボーンはダッジ・チャージャーにてアセットを追う。ラスベガスのど真ん中でカーチェイスがはじまる。
どれだけの車が壊れただろうか。ただ、ボーンシリーズでカーチェイスはそれほど期待していない。カーチェイスはワイルドスピードなどで目が肥えているため、派手ではあるがそれほど面白みはなかった。
カーチェイスが終わると、ようやくボーンとアセットの一騎打ちとなる。ボーンがめちゃめちゃ重そうな打撃を食らわすも、アセットも気力を振り絞って向かってくる。
だいたいのアクションで首絞めに入ると終わりは近い。アセットがボーンの首をロープで絞め落とそうとするも、ボーンが後ろに倒れて回避する。絞め落とすのではまだ甘い。
反対にボーンにマウントポジションを取られ、アセットが首を締められる。ボーンは絞め落とすようなことはせず、首をへし折りKO。長年の対決に終止符を打った。
12.エンディング
リーは国家情報長官(Director of National Intelligence)であるエドウィン・ラッセル(スコット・シェファード)に、ボーンをCIAに取り戻す旨を告げる。もし取り込めないようなら彼を殺すとも宣言する。
リーはボーンに会いCIAの復職を持ちかけるが、ボーンは「考えとくよ」と返答。そのままどこかへ消えてしまう。
リーが彼女の車に戻ると、そこにはビデオカメラが置いてあった。リーとラッセルの会話はボーンに聞かれていたのである。もちろん、彼を殺す宣言も聞かれている。
ボーンはリーを完全には信用していなかったのである。ここでエンディングへ。ボーンにはぜひとも心から信頼できる仲間を見つけて欲しい。
リーは詰めが甘いですね。物騒な発言は妨害電波つきの盗聴不可の場所でしましょう。
・まとめ
純粋なスパイアクションとして楽しめる映画だと思います。今までのボーン・シリーズが傑作だということもあり、評価の低い人は基準値が高すぎるのではないでしょうか。
また、グランド・イリュージョン2でもそうでしたが、最近はソーシャルネットワークを使った情報収集というネタが映画でも多く取り扱われています。
これは一種の警告なのでしょうか。ソーシャルネットワークにドハマリすると、本当に映画のような世の中になってしまうよと。おー怖い。
▼ボーン・シリーズの復習をしたい方はこちら
以上、「映画【ジェイソン・ボーン】ネタバレ CIAやりたい放題」の記事でした。