雑記

ヌートリアってなに?正体はカピバラの皮を被った侵略的外来種

みなさんヌートリアをご存知でしょうか。

南アメリカ原産、齧歯目(げっしもく,ネズミ目とも)ヌートリア科に属する哺乳類です。見た目は完全にカピバラのような顔立ちをしているため、可愛いという方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的にも立派な侵略的外来種として指定されています。

→世界の侵略的外来種ワースト100はこちら

今回はこのヌートリアについての特集となります。

・ヌートリアってどんなの?

頭から胴が40-60cm、尻尾が30-45cm、体重が6-9kgあります。サイズ的には片手でもつのはちょっと抵抗あるサイズですね。オレンジ色の前歯が特徴で、指などに噛みつかれるともっていかれるほど強靭です。

ちなみにカピバラは、齧歯目テンジクネズミ科カピバラ属の哺乳類です。ヌートリアのような尻尾はありません。体長が106-134cm、体重が35-66kgとかなりサイズが大きいです。持ち上げるのは結構な気合がいりますね。

→退化した小さな尻尾があるという説はこちら


出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

カピバラよりもよく似た生態をしている「マスクラット」とよく間違えられます。マスクラットもワースト100には入っていませんが、日本では特定外来生物として指定されています。

→マスクラットも知りたいという貪欲な方はこちら

・どんな被害がある?

日本では岐阜県~山口県にかけて生息しているとされています。稲や麦などの農作物への食害をはじめ、在来種であるベッコウトンボを壊滅させるなどの被害が挙げられます。まさに弱肉強食の中で生きています。

また入り組んだ巣穴を作ることから、ため池の堤防などに巣を作られると決壊したり、倒壊するおそれがあります。

7月21日(木)に姫路城周辺で目撃情報があったため、もし石垣の中の土の部分で作られでもしたら石垣が崩落してしまうおそれがあるということから、姫路市が警戒を強めています。

→生息分布を詳しく知りたい方はこちら

・対処方法は?

箱わなを仕掛けて捕獲、電気柵や防獣ネットにより侵入を防ぐ方法があります。以下のサイトをご覧ください。用具も販売しています。

※下記サイトでも書いていますが、捕獲には外来生物法、鳥獣保護法、狩猟法などを遵守して行なう必要がありますので、必ず自治体に相談してから実施しましょう。自治体に相談する場合、被害の現状を見せなければ動かないと思います。動かぬ証拠として「自動撮影カメラ」の設置がまず有効ではないでしょうか。

鳥獣被害対策.com ヌートリア対策

また、個人でわなを仕掛けても効果は薄いので、地域ぐるみで取り組まないと被害は減りません。各地方自治体の担当者は親身になって相談に乗っていただけますと幸いです。

・ヌートリアを食べる?

これが絶品のようですね。南米や中国では普通に食べているそうです。調理前の肉は草食系のため臭みはなく、果物の匂いがするそうな。味は鶏肉に近いようですが、例えようがないとのこと。肉好きとしては気になりますね。

・さいごに

日本では第2次世界大戦頃に、その毛皮が安価で丈夫なため軍隊の防寒着として用いられていました。1939年にフランスから150頭輸入したのがはじめと言われており、飼育を奨励し数がどんどん増えていきました。

しかし、大戦後は需要がなくなり相次いで飼育放棄、野生へと帰って行きました。そして今や外来生物として指定されるという不遇を受けています。

言ってしまえば人間の都合により被害を受けたに過ぎません。向こうも生きるために必死なので、食物を荒らしたり、すみかを作ったりします。共生というのは難しいですね。永遠の課題です。

以上、「ヌートリアってなに?正体はカピバラの皮を被った侵略的外来種」の記事でした。

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