・三菱自動車の燃費不正問題
燃費不正問題を調査していた特別調査委員会(三菱自が2016年4月25日に設置)の報告書にて驚きの内容が含まれていました。新入社員が幹部らに不正を指摘したにも関わらず、聞く耳を持たなかったとのことです。
なぜ新入社員が幹部らに指摘できたのかというのは、新入社員には研修発表の場が設けられているからです。新入社員がデータをまとめて指摘するという行為も中々できるものではありませんが、入って間もない新入社員が気づくようなものを放置しておく、という精神も中々できるものではありません。
・問題はグループ全体に波及する
2016年8月現在、三菱グループは641社存在します(三菱グループ会社検索より)。三菱自動車工業で起きた燃費不正問題ですが、これだけ大きいグループ企業であれば、その影響はグループ全体に波及します。他の会社も何かやっているのではないかと。
グループ内でコンプライアンスの遵守という教育を毎年行なっていると思いますが、ただやるだけで終わっているのではないでしょうか。
それもそのはずです。一般社員はコンプライアンスどうこう言う前に不正ができるような権限がありません。不正ができる人間というのは、裁量権を持っている人間に限られています。一般的な会社で言えば部長職以上の管理職でしょうか。
権限を持っている人が首を縦に振らないかぎり、不正は続きます。本当に会社のことを考えているなら、隠蔽などもってのほかです。隠蔽はいずれ表沙汰になります。
・問題は旧体質にあり
調べによると、幹部らは記憶にないと回答したようで、どこぞの長とまったく同じ対応をとっています。どこぞの長と同じ処置にでもしない限り不正は続くでしょう。それはなぜか。
昔からやってきた体制がずっと続いていることが要因の一つではないでしょうか。老舗の体制を変えるのは容易ではありません。しかし、時代は刻々と変化しているのです。
いつまでも旧体質のままではいつまでたっても進歩しません。むしろ取り残される一方です。取り残された挙句に隠蔽の露呈では、最高のイメージダウンといえます。
昔から不正をしているんだからこのままいくぞではなく、せっかく体制が変わったのなら、まずはイメージダウンに繋がるような事案から解決するのが先決ではないでしょうか。
・旧体質を改善するには
どこぞの新しい長も言っておりましたが、新しい風を吹かせることが改善に繋がると思います。旧体質の人間が何を言っても旧体質のままです。常に新しい文化を取り込む社風であれば問題ありませんが、老舗にとっては中々できないというのが現状です。
ですが、難しいと言って取り組まなければ改善されることはありません。誰かが人柱になるといっては聞こえは悪いですが、会社の中でそういった人間がいないのであれば、外部から調達するしかないでしょう。
ただ、外部から調達したとしても、その時限りで終わってしまう可能性が高いです。ではどうすればいいのか?限りなく外部の人間の意見を取り込めばいいのです。
それは新入社員です。
右も左も分からない人間だからこそ、会社に染まっていない率直な意見を述べることができます。この意見がとても貴重だというのが分からないのでしょうか。見当違いのことを言っているで済ましてはいませんか?
下からの意見にもっと耳を傾けれる体制にすることが大切かと思います。もちろん、幹部の全員が耳を傾けないとは言っていません。新しい風を吹かすために、積極的に下からの意見を取り入れる幹部もいる(会社もある)でしょう。
・あとがき
何十年も同じところにいると、会社に染められてしまいます。そのままでいいという体質に変えられてしまうのですね。だからといって転職を促すわけではありませんが、本当に自分の意思で会社に務めていますか?
以上、「新入社員の言葉を大切にすべき 旧体質は時代遅れの何物でもない」の記事でした。