雑記

うるう秒は何のために挿入するのか?対策は何か必要?

・うるう秒の挿入が決定!

本日7月8日(金)に、日本の標準時間の維持・管理をしている、総務省 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)より、以下の日時にうるう秒を挿入するという発表がありました。

 挿入日時:2017年1月1日(日)午前8時59分59秒のあとに午前8時59分60秒を挿入

ちなみに前回は2015年7月1日(水)午前8時59分59秒のあとに1秒追加されました。

サーバなどのプラットフォームを提供している事業者にとって、日本の標準時間に自動的に合わせるNTPを使用している場合は、1秒挿入されることで何らかの影響が出るのではないかと以前はヒヤヒヤしていたに違いありません。

・うるう秒ってなに?

1958年以前は、地球の公転と時点に基づいた天文学により標準時間(UTC)を決めていましたが、1958年以後は原子時計に基づき標準時間(国際原子時)を決めています。この原子時計により、より正確に1秒を計測することが可能になりました。

ただし、ベースは天文学であることから、標準時間は天文時との誤差が0.9秒以内の原子時を使用すると決められています。そのため、原子時と天文時の誤差を0.9秒以内にするために、うるう秒として原子時に1秒挿入することを1972年から行なっています。

原子時は正確すぎるため、そのままでは天文時とのギャップが広がり不可思議なことが起こり得ます。

例えば、鶏がコケコッコーと鳴いているにも関わらず、時刻は既に正午を回っているといった具合に。

地球の自転は一定ではないことから、常にギャップを計測しておく必要があるのですね。

ちなみに、上記では日本の総務省により挿入が発表されたと書いておりますが、うるう秒の挿入を決定するのは、地球の回転を計測している国際機関「国際地球回転基準系事業:IERS」が行なっております。国際機関も多種多様なものが存在しているのですね。地球の回転の計測をどのように行なっているのかも気になるところです。現在では衛星を用いて正確に分かるのではないでしょうか。

・どうやって挿入するの?

標準時間に幻の一秒を追加します。

 通常:8時59分59秒→9時0分0秒

 うるう秒挿入:8時59分59秒→8時59分60秒→9時0分0秒

・何か対策が必要?

私もIT事業主の端くれであったため、2015年の際は各種ベンダに問い合わせ影響の有無を確認し、影響のあるものについてはNTPの設定をそのときだけ手動設定にすることで回避をするなどといった回避措置をとっておりました。

基本的にLinuxOSやLinuxベースのアプライアンス製品で、NTPを使用しているものは影響がある可能性があるとのことでしたので、上記措置をとりました。現在はすでに色々とパッチなどが出ているため、適用していれば問題はないと思われます。

万が一を想定して、NTPの設定を外しておくのもいいかと思います。

・まとめ

うるう秒に関する詳しい情報は以下を参照ください。

暦と天文の雑学

NTPを使用しているものにとっては、大丈夫だと分かっていてもドキドキする時間が訪れます。

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